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2017/10/13.Fri

しっかり生きなさい

ある夜、中年男性の声が届きました。

< きちんと勉強しなさい。しっかり生きなさい。>

男性は、穏やかで実直さ溢れる方でした。



( お子さんがいらっしゃるんですね。わかりました。ちゃんと伝えます。)

その言葉を聴き、私自身のあることを思い出しました_

それは今年の初夏、朝のこと。

倒れたままで息も荒く、声も途切れ途切れながら

心配そうな顔をしている子どもの目を見て、言ったこととほぼ同じでした。

それだけに男性の思いは、本当によくわかりました。



ご依頼を頂いてから2ヶ月程した前日に、ご依頼人Fさんからメールが来ました。

「姪も同席したいと思っています。未成年はお断りとのことですが、

 姪はアガサさんのことも状況もちゃんと理解しています。

 何とかお許し頂けないでしょうか?直前に申し訳ございません。」

姪御さんがご同席されると、今までで最年少さんになります。

一瞬、どうしようかと迷いました。

姪御さんへの影響をどうするのか?・・・

でも、迷うこと自体がおかしいと思いました。

なぜなら、ご依頼人Fさんが " 姪は、ちゃんと理解しています。"と

書いておられるからです。

(ちゃんと理解をしてくださっている。それで充分。年は関係ない。)

喜んでお返事をしたのは言うまでもありません。



当日の朝、

子煩悩な男性は、娘さんのことをこう話されるのです。

< 娘は、本当によく出来るんです。笑 とても良い子です。>

あはははと思わず、大笑いしてしまいました。

( ええ、そうでしょうね。お父さんがそうおっしゃるのですから。)

男性は、勢い余って話してしまったご自分にちょっと照れておられる

ように見えました。

( お嬢さんとはこれから初めてお会いしますが、私もそう思います。

 聡明で頑張り屋さんで、優しい方。あなたに似ておられますね。)



待ち合せ場所ご到着の電話連絡を頂き、いそいそと向かいました。

いらっしゃっいました、女性三名様。

私の目は、お嬢さんに釘付け。

思わずため息をもらしてしまいました。

珍しい程、しっかりとした瞳の輝きをされていました。

すぐに安心しました。



部屋へお招きし、簡単にご説明をして 静かに始めました。

「昨夜ぐらいからでしょうか、中年の男性が来られています。

 健康状態のことが伝わりますので、先にお伝えします。

 右の肺。肺の下のあたりですが、このあたりです。

 痛みがありましたが、お心当たりはありますか?

 それと・・・胃も痛みだしました。胃の方も関係あります。

 お分かりにならなければ、分からないと教えて下さい。」

「 わかります。主人です。」

ご依頼人Fさんの姉、Mさんがそうおっしゃいました。



「皆さんがここにお越しになる前のことを話します。

 昨夜か・・・いつだったかはっきり覚えていませんが、

 今朝も同じことを話しておられました。

< きちんと勉強しなさい。しっかり生きなさい。> です。

 単に、親がよく言う"勉強しなさい" ではありません。

 本来の意味が含まれています。

 "しっかり生きるために" という思いです。

 勉強というのは、テストで好成績を修めるという一般的なことだけ

 ではありません。」

お嬢さんは、その言葉をお聴きになって泣いてしまわれました。

奥様のMさんも、姉妹のFさんも、泣いてしまわれた。



それからも、お父さんでありご主人であり、義兄さんである男性は

話を続けられました。



< 受験の時は、傍にいるからね!>

ピースか親指を立てて、にっこりスマイルです。

( 受験って、、、随分先のことまでおっしゃるんですね!まだ小学生ですよ。)

男性は、にっこりスマイルとハンドジェスチャーのまま。

「 Mさん、Hさん、お父さんがこう話されるんですよ。

 < 受験の時は傍にいるからね!>って。

 受験って、えらい先の話をなさるんですね。」

母と娘は、また泣いてしまわれた。

「 中学受験をするのです。」と母Mさん。

「 あ!なるほど。中学受験ですか。あぁ、そうか。わかりました。」

男性は嬉しそうです。

< 娘は行ける(合格)と思います。頑張ってるから。笑>

( 本当に、お嬢さんは偉いですね。感心しています。わぁ〜、ほんと、すごいわ。)



< 義妹に、いろいろありがとう。いつも気にかけてもらっていて。>

( はい。伝えます。)

「 Fさん、お義兄さんが

 <いろいろありがとう。いつも気にかけてもらって。>

 と御礼をおっしゃっています。

 お姉さんのこと、Hちゃんのことをいつも気にかけてくれてるって。」

Fさんは泣きながら、「 はい。わかります。」と話されていました。

「 Fさんとお義兄さんはまるで友達のように、気さくに話せるんですって。」

女性お三人様は、皆さんで頷いておられました。



「Mさんに、< 君のせいじゃない。>とおっしゃっていますが、

 おわかりになりますか?」

「 はい。わかります。」

その時でしたでしょうか、多くの男性方が、同世代かなぁ・・・

とにかく、多くの男性陣が押し寄せてこられました。

その中でおひとりの方が近くに来られて、

< 心配しなくていいですよ。俺たちに任せて!>

と話しかけてこられました。

そのこともお話ししました。



お父さんは、私にある光景を見せてくださいました。

私の目に映ったのは、家族三人で「川の字」に寝ておられる姿。

そして、

< 今も妻と娘の傍で寝ています。笑>

( うわぁ、仲が良いんですね。言いますね。)

「 ご主人が家族三人で並んで寝ているところを話してくださいました。

 そして、今も、夜は三人で寝ていると話してくださっています。

 おわかりになりますか?」

「 はい。そうです。三人で寝ていました。

 娘は、今も『パパの分』と言って 間をあけて寝ています。」

「 そうですか。それは、それは。」

そう言いながら、私は胸がぎゅっと詰まり、目頭が熱くなりました。





事前メモだけを頼りに書いておりますので、ぼちぼち限界。(苦笑)

後日、頂いたメールの一部を掲載させて頂きます。



- - - - -

(略)

長い長いメールになりそうなので、お時間のある時にでもお読み下さいましたら幸いです。

先週は、娘共々お世話になりありがとうございました。
娘も、アガサさんにお会いできて良かったと申しております。

(中略)

虫の駆除の件につきましては、私のことで間違いないかと存じます。
この夏もセミがベランダにやってきて、決闘を致しました。

録音させていただいたアガサさんのお話、何度も何度も聞き返しております。

開口一番に、娘に『きちんと勉強をして、しっかり生きなさい』との言葉。
これは、主人が自分の余命について娘に話した際にも、主人が娘に言った言葉そのものです。

また、沢山の男の人と一緒にいる、とのお話。
私は大変なヤキモチ焼きで、(中略)私を安心させるために皆さまを連れてきたのかな、
と感じております。

(中略)

『ボーイフレンドができたら、ママだけでなくパパにも紹介して』の話では、
アガサさんが気が早いね、と仰ってましたが、最近娘と妹と私とで、
彼氏ができたらママが厳しいチェックをしてあげるから、連れてくるように、
と冗談半分で話した事が何回かあるのです。
それを聞いていたのでしょう。
主人は確かに側にいてくれていると、心が温まる思いです。

『薄い色のドアをノックして、気付いてもらおうとしている』とのお話。
我が家のドアは、室内全て薄いベージュの様なドアなのです。
ですので、娘と私が寝室にいれば寝室のドアを、リビングにいればリビングのドアを、
洗面所にいれば洗面所のドアをノックしてくれているのかもしれません。
主人が亡くなる1週間前から、私も病室に泊まりこんでおりました。
夜中に私を起こしたい時、大きな声を出せなかった主人は、側にあるものを軽く叩いて
私を起こしておりました。
この行動からしても、気付いてもらうためにドアをノックするのは、主人らしいと感じました。

アガサさんが娘の目をご覧になって、形はママに似ているけれど、パパに似ていると仰いましたね。
ドキッとしました。

手前味噌ではありますが、主人は本当に人間的に素晴らしい人で、いつも穏やかで頭が良く、
大きな声を出したことのない人です。
穏やかな主人のおかげで、夫婦喧嘩も一度もした事がありません。
大袈裟に思われるかもしれませんが、少し息苦しい家庭で育った私のギスギスした心は、
主人と出会ったことで救われたのです。

娘も主人に似てくれたのか、優しい子で、お友達と喧嘩をした事がなく、また努力家であり、
ひとつ筋の通った精神力を感じさせます。

(略)

- - - - -



それぞれの悲しみ、辛さ、思いがあると思っています。

妻には妻の。

子どもには子どもの。

親族には親族の。



お嬢さんの気持ちは想像を絶します。

大好きなパパ。

普通なら、勉強どころでないと思うのです。

学校に行くことさえ、辛いと思います。

学校で気が紛れたとしても、お家では辛いでしょう。

でも、

待ち合せ場所でお嬢さんを見た瞬間、すごいなと思いました。

背筋をピンっとして姿勢が正して待っておられました。

表情は柔和なのですが、彼女周りの空気はとてもしっかりしていました。

外見や顔は繕えても、空気までは無理なんですよ。内面ですから。

それは、実年齢こそ11年12年ですが、踏ん張ろうするその精神力は

大したものです。




< きちんと勉強しなさい。しっかり生きなさい。>



お気持ちには、点数さえ良ければ、点数さえ取れれば良いんだという

大人の間違った価値観はありません。




"なぜ、勉強をするのか?"

皆がするから、するのではないということ。

人として大切になる部分、人生の基盤になるということ。

人として全うに生きるために、きちんとすること。

勉強は、考える力、考え抜く力や意思を養うためなのだろうと思います。




" 人として生きるため。"

パパは、そう思いを込めて、話しておられたと思います。




妻を思い、子を思い、妹を思って。

ご主人、パパ、義兄さんの思いにどれだけ近づけられたのかは、

お三人様それぞれのお心に委ねたいと思います。










" しっかり生きよう!"













りんごの美味しい季節になりました。
りんご、梨、桃が大好きな私にとって果物は高級な食べ物。
秋映えなんて最高に美味しいですよね。
手作りのタルトタタン。
とても美味しかったです。

" 天高く、馬肥ゆる秋 "
良いですねぇ〜。
秋、大好きです。




アガサ


愛しい家族、大切な人との交流 | Comments(2)
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